無知蒙昧なセンテンス

その辺の社会人が色々なものの言語化を試みる場です。

ものまね

久々にテレビでものまね芸人のネタを見た。面白いとも思ったのだが、とにかく感動した。すごいな、という気持ちが一番強く残った。


誰かの真似をするのは割かし好きで、クオリティはともかく小さい頃から芸能人とか学校の先生とか動物とかの真似をしてきた。人の特徴を観察して模倣するのが楽しく、結構色んなものまねをしたような気がする。
ものまねは何かを真似ることで、模倣をすること。別に意識するまでもなくそういうもんだと思っていたし、それを特に疑うことなく生きてきた。

でも、テレビに映るものまね芸人のネタは明らかにそれとは違っていた。もちろん真似をしているのだけど、細かく見てみると本人と全く同じセリフを言っているわけでも無いし、本人の癖やアクセントを誇張してる部分もある。それでも全体として違和感はなくて、ちゃんと似ている。

ああ、ただ模倣だけしてるわけじゃないんだな、と思った。
そこには確かにオリジナリティがある。芸人による創造があって、真似をネタに昇華させていた。

誰かの模倣をすることに何となく抵抗があって、どこかダサいと思う節があった。それとは逆に、0から何かを創り出すことへの憧れがあった。
20年以上かけて形成されたそんな価値観は、たった数分で壊された。その画面に映る模倣はとても格好よかった。模倣と創造は共存できるんだと気づいた。


何となくテレビをつけて良かったなと思う。