無知蒙昧なセンテンス

その辺の社会人が色々なものの言語化を試みる場です。

呪術廻戦、読後の感想書きなぐり

こんにちは、さみっとです。

 

某新型ウイルスの蔓延によって世界が一変していますね。令和きれいだー。という言葉を最期にこの世を去っていったあの人が生きていたら、なんて言うでしょうかね。

世界が一変したので当然身の回りの生活も一変しました。その結果大学院で行っていた研究の進捗がほぼ生めなくなり、代わりに大量の時間ができました。今のところそこまで時間を有効活用できてる気はしませんが、今までできなかったようなことをぼちぼちやっています。

んで、その時間を使って呪術廻戦を読みました。その感想をここから書いていきますが、自分が読んだのは1-9巻+0巻です。この順番で読みました。それ以上のことは知らないので、もっと先まで読んでいる人はこれを踏まえて読んでいただけると幸いです。以下そこそこネタバレを含みます。

 

あと、感想は好き勝手に言っていますが、一つ残さず主観です。主観。

 

 

 

呪術廻戦 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)

呪術廻戦 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)

 

 

 

 

 

読んでてまず抱いたのは、「しっかり王道バトル漫画なんだな」という印象だ。最初の数話は結構ダークな雰囲気が強かったり扱っているテーマが重かったりしていて、これ少年ジャンプの漫画なのか?と思ったが、虎杖が呪術高専に入ったあたりからはちゃんと王道バトルものをやっていた。そこからは完全にジャンプらしいバトル漫画、という印象は崩れなかった。ただ思ったのは、何となく「作られた王道」感があるということだ。別にこれが悪いとは思っていなくて、むしろ作品としては面白いし今も続きが読みたいと思っている。ただ、「作られた王道」なのである。作者が意識的に王道要素を入れているように感じた。ハンターハンターとかワンピースとかナルトとかは自然に存在する王道という感じだが、呪術廻戦は人工的な王道という感じがした。ヒロアカもやや人工的な印象がある。これは具体的にどの描写がどうというわけではなくて、漫画の持つ雰囲気がざっくりとそうなのである。

そういう人工感を抱きながら読んでいたら作者のあとがきコメントで「面白いけどジャンプっぽくない」と言われて連載が通らなかった経験があるって書いてあって、すごく納得した。多分作者が思いのままに書くと青年誌寄りの作品になるんだろうな。青年誌の漫画の方が良く読む身としては、それはそれで読んでみたいなあと思う。

 

読みすすめていて最初にガツンと印象に残ったのは五条悟の初戦闘描写だ。2巻で五条悟が漏瑚と戦い圧倒しているが、マジでかっこいい。己の内にある全少年要素が増幅されてこみあげてきた。無下限呪術。領域展開、無量空処。いやこんなんずるいやん。まあ中二病と言えばそれまでだが、いくつになっても心の中に中二成分は残ってるわけで、それがこの戦闘描写で一気に呼び覚まされた。五条悟は呪術廻戦のキャラの中で個人的には一番少年心をくすぐる能力だと思う。術式順転「蒼」、術式反転「」、虚式「」。最高にかっけえ。あと無量空処はほぼゴールドエクスペリエンスだと思う。

五条悟はあの最強キャラもとてもよい。1巻で登場したときからいつか死ぬんかなあって勝手に思っている(※渋谷編の展開はまだ知りません)。ポジション的には有馬貴将とか白ひげとかうちはいたちとか、その辺に近いものを感じる。そしてどうでもいいが自分はこの強さと儚さみたいなものを併せ持つポジのキャラが大体好きである。いや、五条悟に儚さはないかもしれん。蛇足だが、同じ最強でもサイタマは違う。あれは死亡フラグの全くない最強だから。

 

虎杖と釘崎が共に黒閃を放つシーンもかなり印象に残っている。ゾーンに入った時に放つ術は同じ術でも半端なく強くなって、その時に出る黒い閃光が黒閃なのだが、この時の釘崎のダークな表情がクソかっこいい。ぞくっとした。マジでいい表情だった。ちゃんと覚えてないけどデッドマンワンダーランド水無月がしそうな表情をしてた。

 

そして五条と夏油の過去編。この過去編が完全に本編を食ってるレベルでよかった。実際漫画を通しての構図が夏油一派VS呪術高専って感じだし、呪術高専側の最高戦力が五条だから本編を食うのも頷ける。

五条と夏油は本当に二項対立の構図だと思う。親友って時点でその対立性は際立っている。ストレートでシンプルな強さを持つ五条とどこか曲がった強さを持つ夏油。問題児の五条と優等生の夏油。呪いを倒す側にいる五条と人間を倒す側にいる夏油。親友なのに最終的に敵同士になる展開はすごい王道を感じる。最初に「具体的な描写とかではなく人工的な王道」と言ったが、ここは人工的な感じはあまりしなかった。まあよくある構図だけど、自然にそうなっているような気がした。あとこの二人の組み合わせはすごい女性人気が高いような気もした(ここについては難しいのでこれ以上の言及は避ける)。

この過去編では禪院甚爾もめちゃくちゃ印象的である。すぐ他の漫画を連想しがちなのはどうかとも思ってしまうが、禪院甚爾は呪力が0という点でブラッククローバーの主人公を連想した。まあ他は割と違うけど。禪院甚爾はとにかく強いけど野心が全然ないキャラで、能力の五角形があったら一点に特化したいびつな形になりそうな奴である。個人的にこういうキャラもまた大体好きである。

 

0巻もよかった。特に過去編を読んでから読むと0巻最後の五条のセリフ「僕の親友だよ たった一人のね」が心に染みる。乙骨の話も好きだが、やはり五条と夏油に目が行ってしまう。この二人はそれだけ魅力的だし、物語の軸になっていると思う。

 

 

かなり箇条書きチックな駄文になってしまったが、ざっくりと内容の感想はこんなところ。

あ、好きなキャラは釘崎と夏油です。夏油の純粋な邪悪さが本当に良い。釘崎はダークな笑みが良い。呪術は圧倒的に五条の無下限呪術がかっこいい。

 

最後に、全体を通して思ったこととして、一巻ごとの内容の密度が濃いというのがある。すごい端折ってるとか一気に展開してるとかではないんだけど、9巻しかない割に物語が動いてるなーという印象がある。これはヒロアカを読んだときにも思ったんだが、コンパクトに無駄なく物語が進行している感覚がある。少年ジャンプで連載を勝ち取るのは難しいだろうし、ダレずに展開してる作品が生き残るとかそういう事情もあるのかもしれない。

 

 

では。