無知蒙昧なセンテンス

その辺の社会人が色々なものの言語化を試みる場です。

大学院生活の振り返り

こんにちは、さみっとです。
この度大学院を卒業するので、院生として生活した2年間を振り返りたいと思います。


まず全体的な所感ですが、めちゃくちゃ長かった。
本当に2年だったか!?と思うくらい密度が濃かったような気がします。今までの人生の中でも屈指の密度でした。人は歳をとるにつれてだんだん時間を早く感じると言いますが、それに抗えたような気がして個人的には嬉しいです。時間には今後もできるだけゆっくりじっくりと過ぎて欲しいものですね。


では早速振り返ります。どう振り返るか悩みましたが、書くときに楽なので(読むときはごちゃごちゃしそうですが…)、時系列ベースで振り返ろうと思います。



・M1
一言で言えば、研究以外のことを色々やった1年でした。
元々、B4の頃から今の専攻(有機化学系)のまま就職するつもりはなく、当時から興味のあったデータサイエンス系の職に就くまでのモラトリアム期間として大学院に進んだ経緯もあるので(正直、この選択は守りの一手な気がするので方向転換することだけを考えるなら効率は悪いと思います)、ほぼほぼ研究をせずにとにかく色々なことをしました。といってもラボはコアタイムがあって平日は毎日10-5時の間とかは居ないといけなかったので、ちまちまと色々やりました。


M1の最初の頃はめちゃくちゃバイトをしてました。
ピーク時だと、家庭教師を週3、長期インターンを週2(いずれも夜の2-3時間)、月に2,3回大学のTA、月1くらいで統計学を教えるセミナーの講師、みたいなスケジュールだった気がします。

長期インターンはデータの前処理+可視化みたいな仕事内容で、データサイエンスに興味があった自分にとっては分野転向の第一歩となるものでした。ラボベースという研究室向けの就活サイトに登録していたらたまたま長期インターンのオファーを頂いたので、ありがたく引き受けました。データサイエンスの仕事をするにあたってプラスになりそうな肩書きが統計検定準1級の資格だけだったので、オファーをもらえたのは本当に運が良かったと思います。この長期インターンはコロナが本格化するまで大体1年くらい続けられて、数少ない実践経験を積む貴重な機会になりました。データサイエンス系の仕事は実務経験を重視する空気があって、学生のうちに実務をやっているかどうかは就活でかなり効いてくると思うのですが(個人の体感です)、その一方で何も経験を積んでない人がやれるインターンやバイトはなかなかないので、未経験の状態で最初の一歩を踏み出せたのは今振り返ると本当にありがたかったですね。

セミナー講師の仕事はベンチャーでの仕事で、友達のツテがあって巡り合えました。これもデータサイエンス系の経験になったので良かったのですが、働き始めてから新しく入ってきた正社員の方がブラック()な空気で、負担が大きくなる気配がしたので3か月くらいで辞めました。ですが、人前に立って授業形式で教える経験は貴重だったと思います。分かりやすく話すことと正しく説明することの両立は難しいなあと思いました。


就活もしました。詳しく書くと長くなりすぎるので、ざっくりと書きます。

とりあえず5,6月くらいからサマーインターンの先行申し込みを始めました。
この時は周りがやっていたのと、別分野に転向するなら早めに活動開始しておきたいと言う気持ちでやっていて、データサイエンス系をメインに申し込んでました。すべて短期インターンで10社くらい申し込んでコンサル系、マーケティング系、データサイエンス系の3社インターンに通りました。データサイエンティストという職種の定義の曖昧さもあって、企業探しに苦戦した記憶があります。企業探しは就活を通してずっと苦戦した部分で、自分の場合は就活サイトよりはデータサイエンティスト協会( https://www.datascientist.or.jp/ )の参入企業から受ける企業を選ぶことが多かったです。データサイエンス系のインターンはとある医療IT系事業会社のデータ分析部署でのインターンで、かなり業務の自由度と求められるレベルが高く、自分の経験値的に足りてない感が半端なかったです。就活を通じた体感ですが、事業会社はより実務経験重視の即戦力を求める傾向があるように思います。

秋冬のインターンは1社だけ申し込んで、グループディスカッションで落ちました。
「新しいIOTの製品を考える」というテーマで、IOTが何の略か分からずにグルディスに挑んだ結果真っ当に落ちました。どうでもいいですが、これ以降何かにつけて雑に「IOTだ!IOTだ!」と言う癖がつきました。データサイエンスを学ぶモチベは高かったですが就活モチベは低く、特に夏以降は低かったので本当に行きたい会社だけ受けるようにしてました。

本選考はデータサイエンス系の会社を4社受けて、1社内定・1社選考辞退・2社落選という結果でした。
ギリギリでした。この1社から内定をもらえなかったら分野転向どころか就職浪人になっていたと考えると、綱渡り感がありますね。なぜかその当時は危機感0でしたが。

秋に統計検定1級に合格したりインターンで少しずつ実務経験を積んだりと、それなりにプロフィール欄は充実してきたな~と思っていたのですが、現実は厳しかったみたいです。落ちた2社はいずれも面接落ちで、受かった1社の社員さんからは「君は本当に自然体で面接を受けている感じがしたよ」と言われたので、面接の癖が強かったのかもしれないです(自覚はまるでない)。

とはいえ、何だかんだでデータサイエンティストになれそうなので良かったです。もし就活について何か聞きたいことがある人がいたら、参考になるかは分かりませんが遠慮なく聞いてください。


少し触れましたが、統計検定1級を取れたのはすごい嬉しかったです。大学受験よりも根詰めて頑張った甲斐がありました。詳しくは過去記事で言っているのでここでは振り返らないでおきます。
mutimoumai.hatenablog.com


研究も少しはやってました。
M1は学会に出ることが多く、5,6回出たと思います。正直なんでこんなに学会出たのか全然分からないんですけど、なんかたくさん出てましたね。自分の研究室は教授が学会に出る学生を決めるんですけど、教授の中で「(卒論の内容的に)結果を持ってる奴」みたいになっていたのかもしれません。参加した学会ではすべて卒論ベースの同じ内容を話していて、資料も毎回ほぼ一緒だったしモチベも激低でした。この資料、マジで毎回一緒で、5回目だか6回目の学会に出る時はポスターのデザインで引いていた青い線を赤くして縦横比を逆にしただけという恐ろしいくらいのマイナーチェンジだけを施して参加しました。おれは一体...何をやってるんだろう...と言う気持ちになりました。

モチベに反して、自分の研究テーマはコンセプトが分かりやすくて外部のウケが良いテーマだったこともあり、優秀賞を取ったりパブリシティ賞を取ったりしてました。産業系の新聞に載ったりもしました。ただ、自分の中で全然すごい研究だと思えず、そもそも研究からかなり心の距離を置いて生活していたので、こういう賞をもらってもまるで他人事のような感覚でした。パブリシティ賞というものを取った時に、同じ賞を取っている人の中に学部時代自分が行くか迷っていた研究室のトップの人(○○研の○○先生本人、みたいな感じです)がいて、スケールのデカさがあんまりわからなくてケラケラ笑ってました。新聞も訳分からなかった。親に自分の研究の載っている新聞を渡したら喜んでいたのですが、心の中のあらゆる領域でうーーーーーーーんって唸ってました。自分の名前が入った賞は少しは嬉しいのですが、実感は全然湧かなかったです。よっぽど統計検定合格の方が嬉しかったですね。

ただ、いくら実感の湧かない評価とはいえ、将来深く挫折して藁にも縋りたくなった時には少しは自尊心を癒してくれるかもしれません。いや、そんなことない気がしてきました。むしろ下手に賞なんて取ったことで傲慢になるきっかけが増えたとも言えるので、気を付けないといけないかもしれません。


残りの時間はだいたい娯楽してました。
M1の期間で特に印象に残ったのはUndertale、SEKIRO、ポケカあたりです。とても面白かったです。特にUndertaleは本当にプレイ出来て良かったです。



・M2
M2は主に研究とポケモンバトルの一年でした。


就活が終わり、そろそろ研究をやらねば...と焦り始めた頃に”奴”がやってきました。

”コロナ”です。

この歴史的な出来事による世界の変容は自分の身の回りでも例外ではなく、生活は一変しました。まず、4月に緊急事態宣言が出されてから大学に行けなくなり、6月に解除されてからも大学には週3,4日くらいしか行けなくなりました。自分の場合、M1の冬に急遽研究テーマが変わり成果が0だったことと、実験系の研究だったので大学に行かないと何も進まないことが重なり、逆にヘラヘラしちゃうくらい進捗が産めなかったです。特に4,5月はあまりにもやることがなく、劇的に時間が余っていました(その結果、膨大な時間をポケモンに注ぐことに...)。

M1の研究生活とはまるで対照的で、これだけ読む分には不思議に思うかもかもしれませんが、あの頃は卒論の結果を外部に発表するだけだったのに対し、修論ではその成果を活かせず再び一から研究する必要があったので状況は全然違ったんですよね.........急遽テーマが変わったのがヤバかった。

緊急事態宣言中はずっとヘラヘラしていたのですが、8月の中間発表が予定通り行われることが決まってからは過去一レベルでメンタルが追い込まれました。なるべく人前では飄々と振る舞っていたつもりでしたが、本当につらかったです。何の成果もないまま綿あめみたいな要旨を提出し、その数日後にぎりぎり成果と呼べるものが出てきた時はとてつもない安堵感に包まれました。ここから発表までの3週間は出てきた一つの成果に全力で飾りを付けて何とか10分の発表を耐え抜いたのですが、成果0で要旨を出す時のメンタルに比べればはるかに楽でした。人ってあまりに辛くなると悟りの境地みたいな気持ちになりがちだと思うんですけど(これは適当に付けた枕詞です)、自分はこの頃に「絶望にはやりようのない絶望とやりようのある絶望の2種類があって、前者の方が圧倒的にキツイ」という発見をしました。2種類の絶望を味わった結果、やることが分かっててめちゃくちゃ忙しい方がやることが分からなくて忙しい(orやりようがなさ過ぎて時間が余る)よりも全然マシだなあと感じました。成果が0の時は本当にやりようがなくて、毎週同じことを試して成功するのを祈るというサイクルを繰り返していました。何とか成果が出たのは本当に運が良かったと思います。

成果が出たとはいえ修論全体の規模で言うと全然少なかったので、中間発表後も基本的にかなり研究室にいました。相変わらず毎日登校はできなかったので、必然的に登校した日は遅くまで残るようになり、朝は10時くらいから夜は21-23時くらいまでいるのが普通になりました。といっても、いったん成果が出てからはそこから道筋がいくつか広がっていったので、やりようのない絶望感を味わうことはなく、基本的にずっとやりようのある絶望を片隅に置きながら生活していました。振り返ると二度と過ごしたくない研究生活ではありますが、やはり成果0の時よりは全然マシでした(しつこいですが、M2の研究生活はほぼこれを経験しただけといっても過言ではありません)。

結果として何とか修論は形になり、今は平和なメンタルで振り返ることができているので良かったです。


残りの時間は大体ポケモンをしていたと言って差し支えないです()

大学に行ける日が減ったことでどうしてもやることのない時間ができ、自分はそれを大体ポケモンに費やしました。詳細は別記事に書いているのでここでは割愛しますが、オンライン対戦というものは本当にいくらでも時間が溶けますね。しっかり対戦して、十万人以上いる対戦人口の中で二桁の順位まで行ったり逆に10連敗して転落したりして思ったのは、オンライン対戦はゲームの中でも競技性が色濃く出ているということです。あくまで拙い持論ですけど、ゲームってコンテンツの中でかなり魅力の種類が多岐にわたっていると思っていて、ざっくり3種類に分けると対人の対戦ゲームはスポーツに似た魅力が、ストーリーゲームはアニメ・漫画・映画に近い魅力が、ソシャゲは賭け事に似た魅力があると思います。そんなにたくさんのゲームに触れてきたわけではないんですけど(特にソシャゲはマジでやったことない)、これだけの魅力の広さを一つのジャンルに内包しているコンテンツってなかなかないと思います。自分はボカロもめちゃくちゃ好きですが、あれもまたかなり魅力が広いコンテンツだと感じます。

あ、、、、アカンこれは振り返りじゃなくてオタクの早口だ...w
この辺にしときます<(_ _)>

ポケモンの振り返り記事を貼っておくので、もし気になる方がいたらふらっと流し読んでみて下さい。
mutimoumai.hatenablog.com


振り返りで言うと、ポケモン以外にもストーリー系のゲームをいくつかしました。
中でもDEATH STRANDINGはまさに主人公を操る映画という感じで、ゲームとは思えないような新感覚が味わえて印象に残りました。Bloodborneも印象的で、SEKIROに続く二作目のフロムゲーだったのですが、フロム特有の絶望を面白さに昇華させる体験は他では味わえない唯一無二のものだと思います。


あとは、結構色々なジャンルの本を読んでました。
M1までは、資格を受けたり就活をしていたりしたこともあって統計やプログラミング関係の本を読むことが多かったですが、別分野に鞍替えできることが決まって焦りもなくなったので、折角だし色々好き勝手に読もうという気持ちになりました。
冊数はそれほど多くないですが、世界史の本を読んだりサルトルの本を読んだりと、なかなか手を出してこなかったジャンルに踏み込めたのは新鮮で楽しかったです。



・総括
誰が読むんだこれ?ってぐらい長くなりましたw
これでもまだ書き足りないなんて思う自分がいて、ちょっと引いてます。なんかブログを始めて、書けば書くほど長文が長ったらしくなっている気がします。そろそろ読む人いなくなるんじゃないだろうかと少し不安ですが、やりたいようにやりたいので
(頼む...おれはこんなスタンスでやってるんだけど、だれか、だれか抵抗のない人がいたら読んでくれ...!)
みたいな気持ちで今後も続けたいです。よろしくお願いします。


いよいよ社会人ですが、これといったデカい目標はないです。自分の好奇心に素直に、楽しく色んなことに触れていければと思います。時々、自分が完全に予想してない部分で良い感情になれるようなイベント・人・コンテンツに巡り合えたらなお良いですね。
まあ具体的なことは実際に社会人をやらないと見えてこない気がするので、とりあえずは生きていきます。


@社会、よろしくなっ


ではでは~